本日、営業よりアップします。
おそらく誰もがそうだと思いますが、14年前の3月11日のことは鮮明に覚えています。80年前の8月15日の風景と同様に、私たち日本人は3月11日の風景をそれぞれの持ち場で記憶に焼き付けているのではないでしょうか。それはとても個人的な体験です。
当時自分は別の仕事に就いていました。それまでの自分の仕事の集大成というべきプロジェクトを翌3月12日に控え、準備をしていたのでした。当然、そのプロジェクトは中止となりましたが、それは自分にとってとても大きな喪失でした。もちろん家族を奪われ家や生活を奪われた被災者の喪失に比べれば些細なものなのですが、私の311の記憶はこの喪失感と切り離せません。
帰宅すると、本棚が倒れていました。
翌日、散乱した本や雑誌を片付けているうちに、東北沿岸の被害状況の深刻さが徐々に分かってきました。その時、今まで感じたことがないような感情が湧き上がってきたことを覚えています。目の前に散乱する本の山が、全く意味のないものに思えてしまい、結果、それらの本の多くを後日売り飛ばしてしまったのでした。所有すること自体が罪であるような感覚は、不思議としか言いようがありません。今でも、津波の映像を見返すたびにその時の気持ちを思い出します。