本日営業よりアップします。
NHKの「魔改造の夜」という番組は割りと好きな番組です。「超一流のエンジニアたちが極限のアイデアとテクニックを競う技術開発エンタメ番組」というのがこの番組のコンセプトです。ビニール傘の滞空時間を競ったり、トースターでパンを天井近くまで跳ばしたりと、身の回りのおもちゃや家電製品を「魔改造」します。この番組のすごいところは、日本のものづくりを担う錚々たる企業で実際に製品開発をしているエンジニアたちが、約1ヶ月半にわたって、この番組のためにアイデアを出し合い奮闘するところです。ソニー・村田製作所・TDK・ホンダ技研・京セラ・パナソニック・ヤマハ・・・もちろん番組では企業名は具体的には出さないんですが、作業着のロゴでわかります。この企画を考え、企業に持ち込んだプロデューサーもすごいけれど、それに応えて出場する企業の側の判断も大したものです。単純に言って、約45日間(一年の8分の1)企業のエンジニアの20人くらいが、本業をおろそかにするともいえるわけですから。
しかし、技術者たちは分かっているんですよね。こういう「遊び」を真剣に取り組むことで、むしろ突飛なアイデアが湧き出てきて、それこそ本業にプラスにはたらくということを。とりわけ、答えがわからない問題に取り組む時にはチームの中で相談したり議論したりして一瞬ばかばかしいと思うアイデアも無下にせず検討しゴールに近づいていくものです。チーム力をいかに発揮できるかは企業の生命線なんです。優秀な人間がただ集まったとしてもいいものは生まれないんですよね。
きょうのお題は脚立の25メートル走でした。脚立を走らせようというなんとも笑っちゃう企画なんですが、もう途中からなんだか泣けてくるんですよね。感動しました。お見事でした。