本日営業よりアップします。
先日、不動産業者が集まるセミナーに参加しました。テーマは「不動産業務にAIを活用する」・・・
AIと聞いて、何か制御不能なおっかないイメージを抱いてしまうのは、自分が古い人間だからでしょうか? 1968年のSF映画『2001年宇宙の旅』の中で人工知能HAL9000が、自らの思考部が停止させられようとしていることを乗組員の会話を読唇することで察知し、逆に乗組員の殺害を企てるエピソードが忘れられないのです。だから根本的にAIに対してはちょっと斜に構えてしまいます。生成AIなどの恩恵は被りながら、最後の最後のところで、一線を画したくなります。
そうなのですが、やはりAIの能力には目を見張るものがあり、それをうまく活用することではかどる領域があることも確かです。
AIを利用して、物件紹介の文章を作ってもらうとか、イベント企画の案内状をつくってもらうとか、パンフレットに使う画像を生成してもらうなんていうのは、あまりにも瑣末な領域で、自分は余り興味はありませんが、何百件もの仲介物件を抱えている大きな不動産会社であれば業務効率化にはなるのかもしれません。コンピュータの浸透が労働時間の短縮ではなく延長を結果したのと同じようなオチにならないことを願います。
不動産業界がAIによって恩恵を受けている作業の一つに不動産査定があります。近隣の取引履歴から特定不動産の土地・建物の価格を査定するサービスはとても盛んです。不動産業者が長年積み重ねてきた土地勘やら経験が、いともあっさりとAIに取って代わられようとしています。もちろんAIの査定が絶対に正しいというわけでもないので、人間による補正という作業はまだ残されています。
AIが隅々にまで浸透した社会は、どうなってしまうのでしょうか。やはり不安でしかありません。