本日営業よりアップします。
居住空間学と言えば、雑誌BRUTUSが毎年5月に企画する人気特集ですが、実際に居住空間デザイン学を専攻している北浦かほる教授は、アメリカ・ベルギー・ポーランド・ドイツ・日本・中国の6カ国で、子ども部屋の調査・分析を行った本を出しています。
興味深いのは、子ども部屋の広さ、置かれている家具とその配置、鍵の有無、掃除は誰がやるか、親の考え方などにしっかりお国柄が出ているところです。
例えば、英語ではベッドルームというくらいですから欧米人にとって子ども部屋はまず何より「寝室」です。0歳から子どもは自分の部屋で寝かされます。でも日本人の発想する子ども部屋はむしろ「勉強部屋」です。
子どもを叱るときに、日本では「そんな悪い子はうちの子ではありません出ていきなさい」などと言って家から出て行かせるものですが、欧米では部屋に閉じ込めて反省を促すことがほとんどだそうです。
また、特にアメリカでは、子ども部屋は親が子どもに貸し与えているものという発想であるらしく、掃除などせずに使い方がひどい場合は、部屋を開け渡してもらうということがあるそうです。(こういう発想はなかったな)
ちょっと面白い、意外なデータがありました。北浦教授は子ども部屋の「高さ」も測っています。日本の子ども部屋の高さは、ほとんど240センチです。それが標準的な居室の高さですから。ではアメリカの子ども部屋の高さはどのくらいだと思いますか? 先の北浦教授が調査した14家庭のサンプル数値を平均するとなんと223センチでした(最低は173センチ)。なんと日本の天井より低いのです。これは、子ども部屋が、住居の中ではもっとも劣悪な場所すなわち屋根裏部屋に用意されているということを意味します。「大草原の小さな家」の中で、ローラとメアリーが寝ていた、あの屋根裏部屋!
子ども部屋の考察は続きます・・・。