本日営業よりアップします。
学生のころ引っ越しのバイトをしていたときに、親方から突然「ネコ持ってきてくれ」と言われました。ネコの手も借りたいくらい忙しいということを言ってるのかなと思い、「ほんと、忙しいですよね」と答えたら、「バカ、そこの台車持ってこいってことだよ」と言われ、その時はじめて台車のことをネコということを知りました。業界用語というやつです。その親方は「ケフ持ってこい」とも言いました。ケフ? これも一瞬ハテナ? ですが「タンスくるむから」と続けてくれたので、怒鳴られずにすみました。「毛布」ですね。
さて、一枚の画像をお見せします。これは何でしょう?
これはクローゼットなどの折戸の中央についているヒンジです。扉と扉を中央で繋いでいるから製品名はセンターヒンジと言います。普通生活している分には目にすることはありません。クローゼットの中に入って内側から折戸を閉めれば見えます。上下真ん中に3つついていると思います。
さて英語ではヒンジですが、日本語では「蝶番」「丁番」と書きます。建築業界の人はこれをたいてい「チョウバン」と読みます。国語辞書的には「チョウツガイ」ですが。
日本ならではの事例なのではないでしょうか。「遺言」を「いごん」、「競売」を「けいばい」というようにちょっとずらすところに味わいがあります。
先日、草加の中古物件のお引き渡しがありました。その際、劣化していたクローゼットの蝶番の一部を新品に取り替えました。この画像の蝶番は2段階のキャッチ機構がついており、閉じた状態から開く状態になるまでに2段階カチッカチッと作動します。指で開こうとするとなかなかの力が必要です。ただ、その抵抗力のおかげで、クローゼットの開閉にメリハリがつきます。見えないところでいい仕事をしている部品なのです。