気がつけば12月も半ば。周りの家が大掃除を始めているのを見て焦り始めている営業より本日アップします。
大掃除という日本の文化は、とてもユニークなもので、もともとは新しい年神様を招くための清めの儀式のようなものだったそうです。
新築したばかりの頃は、美しさを保つためにこまめに掃除するものですが、10年、15年と経ってくると、本格的な掃除は年末だけなんて家も多いのではないでしょうか。ひざまづいて隅々眺めてみれば、床にもサッシにも汚れは溜まっていて、せっかくだから一掃したいのだけれど、とても1日では終わらないということもわかるので、結局先延ばしされていく・・・そんなふうに煮え切らない大掃除を繰り返しているのはわが家だけではないはず。
年神様を軽んじるわけではありませんが、大掃除に頼る習慣を変えるべきなのかもしれません。大掃除をなくしても常にお家をきれいにする方法がないわけではありません。
ちょっと話は飛びますが、
越谷市には15の公立中学校があります。そのすべてで同じ教科書が使われています。国語なら光村出版の教科書です。光村出版の国語教科書を採択している自治体は多く、近隣を挙げると草加市・春日部市・八潮市・吉川市・三郷市・川口市・蕨市・松伏町などかなりの数にのぼります。高校に行ってからも、中学時代の教科書をネタに盛り上がることができるのも、この出版社の営業力のおかげです。さて中3生になると井上ひさしの「握手」という短編小説を読むことになります。現在と過去が交互に配置され、まるで映画のようななめらかな展開が印象的な作品です。この物語の中で、ルロイ修道士が主人公に発する有名な言葉があります。それが「困難は分割せよ」です。もともとはデカルトのことばのようですし、ビル・ゲイツもよく似たことを言っていたりするようですが、これほど仕事に役立った言葉を他には知りません。
例えば夏、庭全体に雑草を生い茂らしてしまったとします。とても一日では処理できないということが一目でわかるほどの状態だとします。何もしなければ余計にひどくなります。こんなとき、庭に1メートル間隔でロープをはり、6分割します。そして、6分の1ずつ雑草を退治します。全部を一度には大変でも、6分の1を6日かけてならできそうです。
課題はできるだけ小さく具体的に、これが秘訣です。
話を大掃除に戻します。
掃除するべきことが多すぎて、結局1日で片付かないのであれば、発想を変えて、1年かけて掃除する、とするのはどうでしょう。
窓をふく、サッシのレールの埃をとる、排水口をきれいにする、玄関の収納棚をふく・・・などなど考えられる限りの掃除内容を全て書き出すとういうのが0番目の作業です。書き出されたリストが20個とか30個という人は掃除に向かない人かもしれません。おそらくリストは200とか300とかといった規模になるはずです。課題はできるだけ小さく具体的に分割することが重要ですから、「冷蔵庫をきれいにする」という大雑把な書き方ではダメです。「冷蔵庫の上部の埃をはらう」「冷蔵庫のトビラの汚れを落とす」「冷凍庫の底に溜まったゴミを除く」というように細分化して書き出します。「冷蔵庫をきれいにする」には2時間かかりますが、「上部の埃をはらう」だけなら2分もあればできます。書き出しながら、きっとあなたは、夢中になって部屋の汚れを探すことでしょう。そして何をどう掃除すれば良いのかのイメージを作り上げるでしょう。
リストができればそれに日付を割り振り、実行するだけです。1年を通して、家は美しさを維持するでしょう。
お試しあれ。