世の中にはまちがいなく無数の「法則性」があります。投げたボールがこんな曲線を描いて飛ぶとか、何かと何かをどれだけ混ぜると何になるとか、あいつはこういえばああいってくるとか、そういう無数の「法則性」が存在しますが、そのパターンを意識し時には数式化してパターン化してしまえばそれは「法則」に格上げされます。「数学の法則」 「科学の法則」 「ビジネスの法則」 色々あります。どれも意識されなければ存在しないものです。
さて、先日不動産ポータルサイト運営会社の方に面白い話を伺いました。
AIDMA AISAS ULSSAS の話です。
隠しコマンドではありませんよ。日本が配備しようとしているミサイル防衛システムの名称でもありません。
これらは割と有名なマーケティング用語なのだそうです。
AIDMA(アイドマ)の法則
消費者の購買決定のプロセスを表すのがAIDMAです。(アイドマの法則)
A(Attention)商品の存在を知り
I(Interest) それに興味を持ち
D(Desire) 欲しいと思い
M(Memory)記憶し
A(Action) 購買行動を起こす
言われてみれば当たり前のようなことを、さもさもらしく語っているように思えて、ちょっと面白いのですが、このように商品購入のプロセスを5段階に分けることで、それぞれの段階における自社の弱点を探し出すことができれば、売り上げにつながるというわけです。「うちの商品をもっと認知してもらうためにもっと広告費を増やしましょう」とか「面白いキャッチコピーを考えて覚えてもらおう」と対策が打てるわけですね。現状分析のためではなく、改革のために活用するべき理論なのでしょう。
これでいいじゃないかと思うわけですが、近頃はネットを媒介した購買が中心になってくるとAIDMAでは状況を把握できなくなってきます。そこで現れたのがAISAS(アイサス)です。
AISAS(アイサス)の法則
Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)
AIDMAとの違いは[検索]と[共有]ですね。
うむ。なるほど。簡単に言えば、受動的な消費者から能動的な消費者へと変わってきているということでしょうか。検索せずにものを買うことはなくなったような気がします。気に入ったものはInstagramでシェア。(J-waveではお気に入りの曲をかけてもらうリクエストのことをミュージックシェアと呼びます。)
消費者の購買行動を観察し法則を掴み取ったわけですね。
で、またこれでいいじゃないかと思うわけですが、さらにSNSの影響力が見過ごせない昨今ではULSSASなる用語が出てくるようになりました。
ULSSAS(ウルサス)の法則
それぞれの頭文字は次のような意味です。
U:UGC (ユーザー投稿コンテンツ)
L:Like (いいね)
S:Search1 (SNS検索)
S:Search2 (Google検索)
A:Action (購買)
S:Spread (拡散)
これは図を書かないとイメージしにくいので描いてみました。こんな感じです。
一度良質なUGCが起こると、それが拡散されて、再び購買行動が円環的に誘発されていくというダイナミックな動きです。この連鎖がうまく起こっている時は、下手すれば広告費いらないくらいですね。何かすごいことになっているわけですが、確かにその通りなのですね。
SNS、もうちょっと本気でやってみようかと思います。