本日、営業よりアップします。
先週、浴室テレビの具合が悪くなったという相談が複数寄せられました。ただ、10年以上たった商品だと、そもそもメーカーが部品の供給だけでなく修理のサービスも停止していることが多く、新しいものに交換するという流れにならざるを得ません。これまで使っていたものが、とつぜん使えなくなるというのは不便きわまりないですが、直すこともできないとなるとなんだか寂しくなります。
個人的な話になりますが、今年、調子の悪くなったカメラを2台修理に出すというめずらしい経験をしました。
1台はおよそ30年前、阪神淡路大震災の年に新宿で購入したコンタックスのフィルムカメラでした。咳止めではありませんよ。シャッターの反応が悪くなっていたのを騙し騙し使っていました。いっときは中古カメラ市場で1万円を切るほどに投げ売りされていましたが、最近、古いカメラの人気は凄まじく、5万から10万円で取引されています。ブランドそのものは2005年に消滅し、2015年に修理サービスも終わりました。当然、修理は不可能かと思われるわけですが、コンタックスの当時の技術者OBたちがコンタックス専門の修理会社を長野県諏訪市に立ち上げ、残り少なくなった部品を使ってリペアサービスを継続しているのです。この技術者魂には頭が下がります。
ただ、残念ながら電気系統の修理に必要な部品が払底してしまったため修理はできませんでした。いま、カメラフィルムの価格は目玉が飛び出るくらいに高騰しているので、本当にたまにしか使わないでしょうが、まだ写真は撮れるので大事に使っていこうと思っています。カール・ツァイスのレンズで撮った写真はゾクっとする素晴らしさです。
さて2台目は10年もののキヤノンのデジタル一眼レフカメラです。何の問題もなく使っていたのに、先日突然、電源が入らなくなりました。キヤノンのホームページを覗くと、案の定、サポート対象外になっていました。もちろんそれで諦めるわけにはいきません。キヤノンの製品ともなると、ちゃんと修理を請け負う会社はいくつもあるものなのです。しかもキヤノン認定のお墨付きをもらった会社が。ただ、それでも、部品交換を伴う修理には限界があるようです。
幸い今回は、本体ではなくバッテリーパックの側に問題があったようで、バッテリーを新品に換えることで事無きを得ました。
20年経っても30年経っても、修理をしながら使い続けられれば最高ですが、こと電子部品がらみの製品はなかなか厳しいですね。メーカー側の誠実な姿勢と、技術者の意地の世界です。