赤ん坊をあやそうというんじゃないんです。
いつも通っている床屋で予約が取れなかった営業より本日アップします。
しかたなく、家の近くにリニューアルしたばかりの床屋があったので、モノは試しと出かけてみました。床屋とパン屋と工務店は家の近くにあるに越したことはありません。実はこの床屋、創業は1923年です。関東大震災の年です。ことしちょうど100年目です。3代にわたって家族でつなげてきた床屋なのです。入店すると、目に飛び込んできたのは赤い派手な絨毯と、古めかしい革張りのバーバーチェア、昭和の時代から使っていると思われるヴィンテージ級の業務用バリカン、ねじまき式の時計、そしてお酒でも出てきそうなカウンターテーブル・・・。床屋らしくない床屋というのが第一印象。どうやらマスター、かなりの趣味人か? こういう場合、技術はちょっと劣ることが多いので心配になりながらも、非常に興味がわいてきました。いつもなら髪を切ってもらっている間、気持ちよくてうつらうつらしているのですが、今回は色々質問攻め。そしてちょうど背後にあるカウンターについて質問したとき、私より1歳年上のマスターの今回のリニューアルの目論見が判明しました。実は店内にダイニング・バーを併設するのだそうです。夕方4時までは床屋として、そして夜はオーガニックな食事と酒を提供するダイニングバーとして営業するのだとか。昼は定食、夜は居酒屋というのは良くあるけれど、昼間は床屋、夜はバーというのはめずらしい。「きのう保健所からOKもらったんですよ」 「妻が料理が得意なんで料理担当、私はお酒の方ですね」・・・新しい試みをマスターは熱く語ってくれますが、それを聞きながら私は、これはBarber Bar なのか Bar Barber なのか思案します。好きなことなら、何時間仕事をしても楽しいものでしょうか。
私はお酒は飲めませんが、料理が美味しいなら、顔を出してもいいかな。
飲食店のセンスは器やカトラリーのセレクトにも現われます。だから聞いてみました。
「料理を提供する時の器はどこで探すんですか?」
すると
「100均でいいかなって思ってるんですよね。予算のこともあるし。」
正直なマスターでした。
そう、100均の品質は向上しているし、照明を暗くすれば、わかりゃしません。
とりあえず、髪がのびたら、またお願いしようと思っています。