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雲ひとつない青空に、小さな小さな飛行機が飛んでいるのを発見することがあります。ひこうき雲を率いておらず、まるで眼球を漂う飛蚊症のように、音もなく空の上を滑ってゆきます。あの飛行機の中に百人、二百人の乗客が乗っているのを想像すると不思議な気持ちになります。それぞれの事情をのせて、一体あの飛行機はどこに向かって飛んでいくんだろう。そのようなちょっぴり感傷的な疑問を抱いてしまうのですが、そのような疑問は今やスマホのアプリで一瞬にして解決してしまいます。
私のお気に入りのアプリの一つに、Flightrader24というのがあります。これは飛行中の民間航空機の現在位置をリアルタイムに表示してくれるアプリです。例えば羽田空港の辺りを地図で探すと空港内で待機している飛行機や、羽田に向かっている飛行機などが表示されます。じっと見ていると、滑走路をまっすぐ進み離陸する飛行機がはっきり分かります。
海外旅行に行く友人に便名をあらかじめ聞いておけば、今どこを飛んでいるか確認することができます。
少し視野を広げて日本全体を見渡すとどれだけたくさんの飛行機が飛んでいるかが分かります。ちょっとびっくりします。夜の10時にこれだけの飛行機が飛んでいます。
昼間のヨーロッパを覗いてみると、えらいことになっています。飛行機の画像は、飛行機の軌跡を描いているのではなく、一つひとつが今現に飛んでいる飛行機の機影です。
ひとたび紛争が起こると、旅客機はその上空を避けて通るため、紛争地域にはよくポッカリと穴が開くことがあります。
なくても不便ではないアプリですが、たまに夜中に眺めては人間の営みに思いを馳せているのです。
上空を音もなく移動する飛行機の機影を見つけたら、このアプリを開いて機体を特定するのもいいでしょう。
ちなみにひこうき雲は湿度の他に一定の高度が必要です。羽田や成田を飛び立つ飛行機は越谷付近ではまだ十分に上昇していないため、ひこうき雲がないことが多いのだそうです。